魚がルアーに口を使うとき
ルアーで魚を釣るという行為は、改めて考えるとなかなか難しいものです。
一般的に想像する釣りは、エサを付けて、それを食べたい魚を釣るものだと思います。
しかしルアーは、エサに似た形状のものもあれば、まったく似ていないものもあります。
それでも魚はルアーに口を使います。
よく言われる理由は、
・エサだと思わせる
・闘争心に訴える
・反射反応で口を使わせる
といったものです。
自分の中では、「エサだと思わせる」というイメージはあまり強くありません。
その理由は、エサとルアーの反応の差を目の前で見た経験があるからです。
芦ノ湖での体験
20年近く前、芦ノ湖にワカサギ釣りに行ったときのことです。
桟橋に戻ると、柱の周りにバスが数匹付いていました。
ボート屋さんに許可をいただき、釣らせてもらうことに。
小さなワカサギサイズのリアルなミノーを入れてみると、魚は一瞥するだけで無反応。
何度かアプローチしましたが「見えバスは難しいな」と思い、諦めかけました。
そのとき友人が、
「身切れしたワカサギを使ってみたら?」
と言いました。
ミノーのフックを外してラインに直結し、ワカサギをチョン掛けして沈めると、
さっきまで動かなかった魚が猛烈な勢いでバイト。
見えない位置にいた魚まで出てきました。
あれだけ無反応だった魚が、生餌を入れた瞬間に変わった。
一度の体験ですが、この差は強烈に印象に残りました。
体験から変わった判断基準
この経験から、自分の中では一つの考えができました。
ここで言いたいのは、ルアーとエサの優劣の話ではありません。
芦ノ湖で、生餌とルアーの反応の差をはっきり見たことで、
自分は、ルアーの形状やサイズを必要以上にエサへ寄せることを重視しなくなりました。
それよりも、
・魚に気づいてもらえるか
・通るレンジが合っているか
・速度が合っているか
こうした部分を優先して考えるようになりました。
ただし例外はあります。
ボイルしているとき
単発ではなく、ある程度の規模で継続するボイル。
魚がベイトを追い回し、スイッチが入っている状況です。
この状況では、魚が追っているベイトに
・速度
・サイズ
を合わせないと反応しないことがあります。
逆にうまく合わせると、連続してキャッチできることもあります。
つまり、ルアーがエサに「近づく」ことで成立する場面です。
もちろん、すべてのボイルがそうとは限りません。
自分がよく行くレイクでは、継続するボイルほどこの傾向が強いと感じています。
一方で、バンク沿いなどで起こる単発のボイルでは、
そのとき投げていたベイトに似ていないルアーでキャッチできたこともあります。
ルアーで口を使う仕組み
ルアーで魚が口を使うときの流れを、単純に書くとこうなります。
魚が気づく → ルアーに近づく → 口を使う
当たり前ですが、魚に気づいてもらわなければ何も始まりません。
気づいても興味を持たなかったり、近づいて違和感を覚えたり、
口を使うか迷いながら追ってくることもあります。
クリアウォーターのエリアトラウトでは、
魚が気づいてから口を使うまでの反応が見えやすく、この流れを実感しやすいと思います。
バスとトラウトで細かな違いはありますが、
魚が「気づく → 近づく → 判断する」という基本の仕組みは大きく変わらないと考えています。
だからまず、魚に気づいてもらう方法を考えることが、すべての出発点になります。
線で探るか、点で撃つか
この考えから、自分はルアーを大きく二つに分けています。
・線で捉えるルアー
・点で捉えるルアー
いわゆる、
・巻き物
・撃ち物
ファストムービングとスローダウン、と呼ばれる考え方です。
そして、各ルアーには「ルアーパワー」があります。
サイズ、振動、フラッシングなど、魚に気づいてもらう力のことです。
ルアーが大きかったり動きが強かったりすると、遠くからでも魚が気づく可能性が増えます。
この場合は、広く探る釣りが成立しやすく、細かく撃ち込む必要は減ります。
逆に、一般的なソフトベイトのように存在感が弱いルアーでは、
魚がいそうな場所にきちんと入れていく必要があります。
魚に気づいてもらう方法が違うだけで、目的は同じです。
自分の判断基準
現場では、次の要素を組み合わせて考えています。
・魚はどこにいるか?
・使っているルアーが魚に気づかれているか?
・レンジが合っているか?
・速度が合っているか?
・ルアーの存在が強すぎないか?
これは順番に確認するというより、同時に見直すためのチェック項目です。
どれか一つだけを変えるのではなく、状況に応じて組み合わせて調整します。
こうして、ルアーの使い分けと出し入れを行っています。
まとめ
魚を釣りたいなら、
まず魚にルアーやエサの存在を認識してもらうことを前提に考える必要があります。
そして、ルアーで釣りたいとなった場合は、
・ルアーパワー(サイズ、振動、フラッシングなどの存在感)
・レンジ
・速度
・アクション
を組み合わせて整理し、実際に試してみることが大切だと思っています。
魚にルアーを見つけてもらう
魚側から気付いて口を使ったバイトは、とてもエキサイティングなことが多いです。
同時にとても楽しい瞬間でもあります。
みなさんも、自分なりの「気づかせるための基準」を少しずつ積み重ねてみてください。
また釣りに行こう。釣りを楽しもう。






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