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釣りを始めたばかりの頃、
自分は近所の川にできた水たまりのような場所で、
よくルアーを投げて遊んでいました。
そこにバスはいません。
それでもロッドとリールを持っていき、
キャストしたり、
ボトムを取ってズル引きしたりしていました。
今思えば、
完全に「バス釣りごっこ」です。
当時は練習しているつもりもなく、
単純に釣りがしたかっただけでした。
ただ、振り返ってみると、
この時間が意外と役に立っていたように思います。
バスが釣れる場所へ簡単には行けなかった
自分がバス釣りを始めた頃は、
まだ小学生でした。
近所に、自転車などで
簡単に行けるバスが釣れる場所はありませんでした。
当然クルマもありませんし、
バスが釣れる場所まで電車で行くにも、
毎回運賃が掛かります。
そう頻繁に釣り場へ行けるわけではありませんでした。
それでも釣りはしたい。
そこで近所の川へ行き、
魚がいるわけでもない場所で
適当なオモリを投げて遊んでいました。
狙った場所へキャストして、
着水したらボトムを取る。
そこからゆっくりズル引いて、
何かに当たれば感触を確かめる。
ほかにもクランクベイトなどを投げて、
巻いてみることもありました。
魚は釣れませんが、
やっていること自体はバス釣りです。
当時は、
それだけで十分楽しかった記憶があります。
知らないうちに基本動作を繰り返していた
魚がいないので、
当然バイトはありません。
場所を変えたからといって
急に魚が釣れることもありません。
そのため同じ場所で、
何度も同じことを繰り返していました。
キャストして、
着底を待って、
ボトムをズル引く。
狙った場所へ入らなければ、
もう一度投げる。
着底が分かりにくければ、
ラインの動きを見ながら待つ。
ロッドを動かせば、
ルアーがどの程度動くのかを想像する。
当時は意識していませんでしたが、
結果としてキャストや着底、
ボトムを引く感覚を
何度も反復していたことになります。

山中湖で意外と役に立った
後になって、仲間内でキャンプへ行った山中湖で、
たまたま釣りをする機会がありました。
その頃の自分は釣りから離れていたため、
ロッドとリールは昔使っていた物を引っ張り出し、
ルアーは友人が持っていた4インチグラブをもらって、
ノーシンカーで釣っていました。
ノーシンカーなので、
シンカーを使ったリグのように、
明確な手応えがあるわけではありません。
着底も分かりにくく、
ボトムを引いていても
手元にはほとんど何も伝わらないことがあります。
かなり感覚の薄い釣りです。
それでも、
今はおそらくボトムに着いた。
ウィードか何かに触れた。
少しシェイクしてみよう。
底の状態が少し変わった。
ここで止めてみるか。
そういったことを感じながら操作し、
実際に釣果も出て、
楽しく釣りを続けることができました。
今振り返ると、
子供の頃に繰り返していた
ボトムを取ってズル引く遊びが、
少なからず土台になっていたのだと思います。
釣りへ行けば魚を釣りたくなる
実際の釣り場へ行けば、
当然魚を釣りたくなります。
反応がなければ、
ルアーを変えたくなります。
場所も変えたくなりますし、
動かし方やレンジも変えたくなります。
魚を釣るためには、
それで問題ありません。
ただ、
キャストや着底、
ルアーの基本的な操作などの
本当に根本的な動作を覚えるという意味では、
少し都合が悪い部分もあります。
一つのことを覚えたいのに、
釣果を求めることで
次々と別のことを試してしまうからです。
その点、
魚を釣ることから切り離してしまえば、
一つの動作だけを何度でも繰り返せます。
キャストを覚えたいなら、
狙う場所を決めて、そこへ繰り返し投げ込む。
着底を覚えたいなら、
まずは分かりやすい重さから始めて、
徐々に軽くしていく。
ズル引きを覚えたいなら、
底の状態が分かりやすい場所で、
同じ動作を繰り返す。
こうしたことを、
固定された足場でいろいろ試せたことも
大きかったように思います。
ボートやSUPのように足場自体が動く場所では、
自分の位置も少しずつ変わるため、
どうしても感覚が曖昧になりやすくなります。
その点、岸のような固定された足場であれば、
自分の操作による変化を確認しやすくなります。
そして、超基本的なことほど、
こうして釣果と切り離したほうが、
身につくのは早いのかもしれません。

昔はただの遊びだった
自分と同じように、
バス釣りが流行していた頃に
子供だった人の中には、
バスが釣れる場所が遠く、
近所で釣りの真似をしていた人も
意外といるのではないでしょうか。
当時は、
上達するためにやっていたわけではありません。
釣りへ行けないから、
近所で竿を振っていただけです。
それでも結果として、
基本動作をかなりの回数
繰り返していたことになります。
魚が釣れない場所で遊んでいた時間が、
後になって実際の釣りで役に立つ。
そう考えると、
あのバス釣りごっこも
無駄ではなかったのだと思います。
今なら、
魚がいない場所まで行く必要はありません。
ただ、
新しい釣り方や基本動作を覚えたい時に、
少しだけ釣果を求めない時間を作る。
それだけでも、
覚えやすさは変わるように思います。
また釣りに行こう。釣りを楽しもう。


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